タイヤバースト 横転事故

キャンピングカー 横転 

残念なことですが、キャンピングカーの横転死亡事故が定期的に起きています。そしてキャンピングカーの横転事故が起きるたびに、このページに対してのアクセスが跳ね上がります。また、新聞社、報道各社から記事引用の問い合わせが数多くまいります。多くの方が、こういった事故を知るまでキャンピングカーの危険性を知らない方が多いのが現実のようだからです。構造上、バーストしやすい車、それがキャンピングカーなのです。

また、キャンピングカー専門店ではなく、多くの方が一般の中古車店やヤフオクなどでキャンピングカーを購入することも危険性を知らずに乗っている一因でしょう。キャンピングカーのタイヤは、減っていても減っていなくても3年で定期交換する、履き捨てる、無駄と考えても、これを必ず守ってください。
ーーーーーーーーーーーーー

危険性を知る方は、キャンピングカーに乗ると、一番心配なのは誰もがバーストでしょう。ここ最近はハブボルト折れも心配なさる方も多いはず。映画、「空飛ぶタイヤ」のような事故も現実に数多く起きています。それらは誰もがベテランオーナーは心配するはずです。我々もそうなのです。私ども買取業はしばらく乗っていない、故障したから売りたい、そういったケースもあり、誰よりもタイヤバーストには真剣に向き合う仕事でもあるからです。オイル漏れやラジエーター漏れと違い、予兆もなく突然訪れ、事は命にかかわる大事になる、それがタイヤバーストだからです。

  キャンピングカー横転

またダブルタイヤは、心配はないかと勘違いされていますが、タイヤバースト、ハブボルト折れで一番怖いのは前輪で起きた場合です。またダブルタイヤの内輪は目視確認が難しい、行えない、ですから、シングルでもダブルでも同様に気をつけなければなりません。よくダブルタイヤは安心だ、そううそぶく、知ったかぶりの人がいます。バーストした瞬間の爆発力はものすごいものであり、もう一本のタイヤも同時に逝くケースもあるのです。新聞に2020年だけでも二名の整備業者さんが亡くなられています。特に大型車のタイヤは、取り付け時に破裂してプロの業者であっても死亡者が出るほどの破壊力を持っているのです。

ですから、どんなキャンピングカーも同じ条件と考えたほうがよいでしょう。キャブコンだけでなく、軽自動車であっても、フルに荷重がかかっているのは間違いありません、適切な時期でタイヤを交換することは大切なことです。そして、その適切な期間とは3年です。

きちんと3年で履き替えれば、何も心配ない

そして、最初に言っておきますが、きちんと対策をすれば何も心配しなくてよい、そう申しておきます。逆にきちんとしないと、キャンピングカーは大変危険、そう強く申しておきます。キャンピングカーは内装が豪華になり、勘違いをされていますが、トラックにFRP構造、べニアで作られた荷物をのせ、ほぼ積載能力、限界いっぱいで走っているトラックや商用車である。そうお伝えすれば、きちんとしなければ危険という意味がご理解していただけると思います。トラックにフルに荷物を積んで走る車は、社会的にも沿道の第三者に対しても、多大な責務を負って走っています。きちんとして走る、義務があるということです。そして横転した場合も、乗員の衝突実験を行う乗用車と違い家具で体を打つなど、衝撃から守るようにはつくられていないことも事故をより深刻にする理由です。ですからシートベルトは2点式であっても絶対につけてください。ベッドなどで子供寝かしたまま運転などは絶対に行わないでください。

今回は、どう、きちんとしたらよいのか、しっかりアドバイスいたしましょう。

      キャンピングカー横転

キャンピングカーは常にフル積載の状態で、すべてのタイヤにその負担が大きくかかっていることが理由です。そしてその負担はとても大きなものだからです。多くの方が、ブログでタイヤバースト、タイヤ交換、ハブボルト折れ、横転などといった記事をたくさん書かれていますが、そういったバーストが起きたお車の多くは、横転にならずとも、キャビンは大きく傷むことになります。タイヤが飛び散り、跳ねあがったタイヤの破片でFRPキャビンや排水タンク、ガソリンタンクなども傷めるケースも出てくるからです。キャンピングカーは下まわりにFFヒーターなどの燃料配管もなされています。バーストは大変危険なできごとなのです。タイヤバーストをけっして甘く見ないでください。買取りをさせていただいていると、ネットで書かれている以上のバーストの数であると感じています。同じく2018年、名神高速でキャンピングカーの車両火災が起きましたが、数多くの火災事故も並行して起きています。

 実は乗用車でもバーストは起きる

  ピンチカット

上記の写真は、当店のスタッフが乗るタイヤの写真です。新車のベンツでまだ、距離は7000キロも走っていません。ホイールに傷がない程度ですが、キャッツアイでサイドウォールは簡単にスチールベルトが破損し、こういった状態になります。このまま走り続けると、バーストします。これはピンチカットという現象です。

キャンピングカーもダブルタイヤの場合、裏側が見えにくいためにピンチカットの発見が遅れ、バーストするケースもあります。手袋をはめてタイヤを定期的にさわるようにするとよいのですが、ダブルタイヤはなかなかそれが難しくなります。

タイヤバーストは常時積載状態が起因する

キャンピングカーショップによっては、紫外線でタイヤが劣化するから3年で交換してほしいと伝えるケースがあります。タイヤはそれほどやわにはできていません。丈夫につくられています。

キャンピングカーのハブボルト折れ、バースト事故は、常時積載状態が大きく起因します。積載重量は、単純に積み込まれている分だけが、タイヤ、車軸、道路に負担をかける、そう思われている方が、プロでもほとんどです。実は、そうではありません。国土交通省の実験では、特に橋などの床板に対し積載量は、軸重量に対して12乗に比例していくのです。


  

車両重量が床板に(路面)与える影響度合は、「1トン」増えれば単に「1トン分」増える、そういうわけではないのです。

車両制限令で定める上限の軸重(左右一対のタイヤにかかる重量)は「10トン」ですが、例えば、過積載により「2トン」超過し「12トン」となった場合は、「10トン車およそ9台分」つまり「90トン」の負担がかかるのです。「10トン」超過し「20トン」になった場合は、「10トン車およそ4000台分」つまり「4万トン」の負担が道路にかかるといわれています。「軸重の約12乗に比例」する負担とはこういったことです。

わかりやすく言えば、人間の体に、本来、異物侵入はありません。しかし、極端に細い針などは、荷重がかかることによって、体内に侵入していきます。これが注射針の原理です。

ですから、キャンピングカーも、実は、わずかな積載量の増加であっても、軸重、路面、もちろんタイヤにも想像を絶する負担増加になっていくのです。これは、タイヤの接地面積が、はがき一枚分、つまり極端に狭いから起きる、特異な科学現象なのです。

http://www.e-nexco.co.jp   東日本NEXCO 

国土交通局  道路局通達

上記の国土交通省の通達、東日本NEXCOのデーターをみれば、積載量が増加することで、どれだけ、路面だけでなく、タイヤや車軸にも負担が増加するかわかると思います。路面に負担があるということは、当然タイヤ、車軸にも想像を絶する負担がかかるわけですから。わずか50キロ、車軸に対しての設備増加が、12乗に比例して、橋などの路面に負担をかけていくのです。当然タイヤやハブボルトにも大きな力が加わるのです。しかし、悪質な過積載のトラックでも、走行距離の半分は空荷の時もあるのです。しかし、キャンピングカーは常時積載状態であるのです。ここをキャンピングカーの業界人が知らないことがいちばん恐ろしいことでもあるのです。

なぜバースト事故が 

アライメント調整 ハブボルト折れ

3年でタイヤ交換をしなければならない理由をこれから順次お話しますが、かなり長くなります。バーストや横転に関する問題は、これだけ長文の理論が複合的に絡んでくるのです

バーストには明確な理由がいくつも絡んであるのです。ですから厄介なのです。本来、タイヤはそれほど弱いものではありません。第一のバーストの理由は、たまにしか乗らないからです。たまに乗ることでタイヤが変形しているのです。極端な話、タイヤがおにぎりのような形になっていると思ってください。図のような、フラットスポットができているからです。それで休日にいっきに走り出す。これがバーストの原因です。変形したまま、変形状態のタイヤにいっきに負荷がかかるのでタイヤに走行初期に亀裂が起きるのです。ですから定期的に駐車場で車を動かしてください。また乗り始めは、F1のように徐々にスピードをあげてください。タイヤが徐々に温まりずいぶんこれでバーストの要因は減るはずです。そして空気圧をきちんと測ること、できることであれば窒素ガスなどで内部圧の変化が起きにくく、タイヤ内部のコードを傷めにくい空気を入れておくこともポイントです。

そして最後が、ホイールバランス、ホイールアライメント不良、とくにトー角、キャスタ角の狂いもハンドルがとられたり、タイヤが偏摩耗します。その偏摩耗がバーストの原因にもなるのです。そういった基礎的な車の異常をさしおいて、足回りを固めたりする間違ったケースがあります。

操向輪である前車輪には見た目にはほとんどわかりませんが、ホイールアライメント(車輪整列)と呼ばれる大事な要素が影響しています。ですから、本来は、車が安定しない、ふらつくという場合は、サスの強化ではなく、まずシンプルに、キャスタ角やナックルアーム、トーインの不正、アライメントを疑うべきなのです。

普通はそれほど狂うものではありません、しかしキャンピングカーの場合、車が重いですから、コンビニ駐車場の輪止めや大きな段差を乗り上げたり、不整地を走ることで、事故でなくても徐々にアライメントが狂ってくるのです。キャンピングカーショップの場合、オーナー自身が、趣味から始めている場合が多く、査定士や整備士、建築技師、自動車古物商など、なにも資格を持っていないお店があります。改造申請のイロハさえ知らないショップも意外に多いのです。その影響が、車両基本をおろそかにし、現在、様々なブログで書かれているように、横転やバースト、ハブボルト折れが起きるのです。

特にサスをいじった車こそ、本来はアライメント調整が確実に必要なのです。キャンピングカーは結構スポーツカー以上に、異常に足まわりをさわる方がいます。乗用車とは違いトラックですから調整できることは機構上、限られますが、それでもアライメント調整やサイドスリップ調整をしておかないと、波状に摩耗、皿状に摩耗、羽状に摩耗、外側だけ、内側だけといった、俗にいう偏った摩耗「偏摩耗」をタイヤが起こすのです。この偏摩耗がバーストのもうひとつの理由です。

足回りがふらついた場合、単純にホイールアライメント、ホイールバランス、特にキャスタ角、ナックルアームの曲がり、トーイン、キャンパの不正などを疑って見ておくとよいと思います。ふらついたら、足回りを固めるのではなく、アライメント(キャスタ)やホイールバランスなどの異常を見ることが本来は先なのです。それをしないことで、偏った摩耗、偏摩耗が起き、バーストが起きやすくなります。特に前輪の摩耗は致命的になります。

実際、キャンピングカーの買取をさせていただくと、タイヤが極端に偏摩耗しているケースをたくさんみます。アライメントが単純に狂っているのです。またキャンピングメーカーにおいても一定の特性も見受けられます。ハブボルトが折れたり、バーストもアライメントが狂っていて偏摩耗がおき、それが原因の場合が当然あります。タイヤが綺麗にまわっていないから偏摩耗が起きるわけです。また単純に車検時に、サイドスリップ調整で、トー角だけを単純に調整することも偏摩耗を起こす場合もあります。

*ホイールアライメント 
キャスタ角・キャンバ角・キングピン傾角・トーイン&トーアウトなどの要素からなる




        

トラック、商用車の

4輪アライメントはできないぞ ?

ここまで読まれると、自動車整備の専門家、車両構造に詳しい人、キャンピング業界のプロの方は、

おいおいキャンパーハウス、いい加減にしろ、お前らは自動車の構造知識があるのか、カムロードやハイエース、コースターは、前輪しかアライメント調整はできないぞ、しかもその調整は限られるぞ。いいかげんにしろ」

そう思われるはずです。そうです。キャンピングカーの場合は、トラックやライトバンがベース。乗用車と違い、トラックや商用車の場合、調整できる仕組みに限界があり、ほとんど一般の整備店では前輪だけの調整となります。また前輪でも限られた要素しか調整しない、また、できない、これが一般的な整備業界、プロの常識です。現在は乗用車ですらコスト削減で後輪の調整機能は限られてきました。

当店が、43年前に名古屋陸運局で個人において初めてキャンピングカーの改造申請、書面審査を通し、28年間の自動車古物商の経験、外車や大型特殊車両の業販を長年扱ってきました。当店のメンバーは査定士の資格を小型車だけではなく、8トン以上の大型車に対応し、大型車査定士の資格を所有しております。

実は大型車両の分野では、キャンピングカーより、もっとハブボルト折れ、タイヤバーストは深刻な問題になります。映画、「空飛ぶタイヤ」のように外れたタイヤで他の方の命まで危険にさらすからです。事実、多くの死亡事故、交通事故を起こしてきました。だから、高速道路の男性トイレの内には、常にボルト点検のポスターが張られているのです。

ですから、欧米では大型車両の分野で「全輪調整(トータルアライメント、デラックス4ホイールアライメント)」が可能になってきています。

日本では、まだまだ行える整備企業は限られますが、高度なトラック整備修正技術が誕生しています。通常の車検整備ですと、下記の図のように、前輪のトーイン(トー角)の調整だけを0度から5度前後の間で調整します。車検の時にはこういった*サイドスリップを調整します。そこまでしかおこないません。現在でもほとんどはこういった整備内容です。しかし前述のように、安易にサイドスリップの調整だけを行うことも、他のアライメント要素の不調をそのままにすることで、それが理由の偏摩耗を起こす厄介な現象を起こす時があります。

    

下記の図の中で、3番の図が理想です。全輪、すべてのタイヤが、まっすぐに、車両均等に向いていることです。そしてハンドルもセンターがしっかりでていることが理想です。しかし、乗用車やスポーツカーと違い、商用車がベースのキャンピングカーは、前輪は車検の時に、サイドスリップ、横滑り量をみて上記の図のような、トー角の調整は行います。しかし、それ以上の義務はないため、それ以外の細かなアライメントはとられていません。また、トー角だけの調整を行うことで、逆に前輪の偏摩耗を起こすことさえあります。厄介なのです。

そして後輪は、調整ができないホーシング、一本の軸になっていますから、極端な話、下の図の1番のように、後ろ軸が、左に向いたり、右に向いたり、狂っているといっても過言ではないのです。自動車はハンドルで方向性が決まります。しかし、もっと掘り下げると、実は方向性は驚くでしょうが、後輪が方向性を決めているのです。ですから、1番の図のようになっている状態では、車両自体の図形的な幾何学的中心線と後輪の進行方向にズレがあれば、タイヤが引きずりを起こし偏摩耗したり、車体構造に負荷がかかりますから、それが当然ハブボルトなどにも影響を与えることになるのです。

高度な整備工場やタイヤ専門店になると、後輪の調整は難しいとしても、まず全輪4輪のアライメントの狂いをみて、後輪の狂いを考慮したうえで、ハンドルのセンターを出し前輪のアライメント調整をしてくれる、そういった調整技術(スラストラインアライメント)もあります。それが下の図の2番でイメージを表しています。しかし、図の2は、後ろ軸のずれを前輪で調整しているため、まっすぐ走ることができても、車体均等の正しい進行線ではありません。極端な話、後ろから見ると、犬のお尻のように斜めに走っていく姿(ドッグトラッキング)になります。しかし、車体構造の負荷(タイヤの引きずり)はいくぶんでも少なくなっていきます。

*スラスト角  https://www.youtube.com
*ドックトラッキング https://www.youtube.co

  

そして欧米では、一般的にトラックでは難しいとされる、固定された後軸(ホーシング)、調整機能を持たない後輪すら、特殊な方法で修正する技術が海外で生まれ、日本でもすでに導入され、始められています。図の3のように、図形的に幾何学的な中心線の方向に、全輪、4輪が車両構造上均等線と同一のスラストになり、理想のアライメントがとれるようになります。大型の車両はそれなりの経費をかけても、燃料費が莫大な費用になりますし、車両価格も2千万、3千万と高額ゆえに、行うことが非常に価値あるものになるからです。

昔から、バーナーを利用してフレーム修正は行いましたが、また元に戻ってしまう弱点がありましたが、昨今の技術革新は、インダクションヒーターという特殊なヒーターで車体に熱を与えて、固定された通常の整備工場では不可能である後軸の向きやずれを修正していきます。一種のフレーム修正のようなこういった高度なシステムが、まずは大型車両から取り入れられ、今後は一般車両にも取り入れられるようになると、ハンドルがとられなくなり、タイヤの偏摩耗も起きず、ドライバーの疲労は大幅に軽減され、当然、車両、車軸への負担は減り、タイヤの負担、偏摩耗も少なくなり、タイヤバースト、ハブボルト折れなど、商用車ベースのキャンピングカーの事故が大幅に減っていくことになるでしょう。当店の代表が所有する大型キャンピングカーは、テストでこの調整作業を行っておりますが、とても気持ちよく高速移動を行えております。

カメラを利用した大型車用カメラ 全輪アライメント

「前輪」、「全輪」、文字一つの違いですが、とても重要になります。

ここまで話してきましたが、アライメントが狂うと、うまくタイヤが回転していないということです。極端な言い方をすれば、タイヤを引き摺って走ることになり、軸やタイヤ、各種ボルト、車両全体に負荷がかかるということです。またハンドルがとられ、タイヤがバーストしやすく、ホイールにも負荷がかかり、ハブボルトも折れやすくなります。これがキャンピングカーのリアタイヤのバーストやハブボルト折れが起きる要因のひとつなのです。

前輪は乗用車ほどの細かなアライメント調整ができないとしても、サイドスリップテストでトー角の調整は車検時に行います。ですが、極端な話、後輪は新車時から狂っている、また徐々にくるってくる、特にキャンピングカーのように常に荷重がかかり、産業用トラックより、時には過酷な雪道やあぜ道を短い区間でも走行する機会がある、コンビニなどにも頻繁出入りし、片輪のみを輪止めにあててしまう、ゆえにアライメントは狂いやすい環境にあります。

本来、前後軸重の重さに極端な変わりがないにもかかわらず、キャンピングカーの後輪のバースト、ハブボルト折れが起きる理由はこういった後軸のアライメントの不良も、大きな要因なのです。それが、タイヤの偏摩耗を起こしたり、大きな負荷が、車軸、ハブにかかっていることが要因だと思われます。図1は極端なずれを表していますが、こういった歪みが、タイヤに大きな負荷がかかる、バースト、ボルト折れ、また普段の高速走行時の横揺れとも因果関係があるのです。また、多くのキャンピングカーショップが、後軸がずれていること、後軸を修正できることを知らないことが大きな理由です。買取をおこなっていると、その多くが、ハンドルセンターが出ていなかったり、アライメントがとれていません。

扇風機を使用中に倒した経験があると思います。その後、羽の回転に音が出たり、振動が起きたり、そういった現象が自動車において起きるアライメント不良と思われるとわかりやすいと思います。当然、普通の電気店ではこういったモーターの軸心を修正する技術はありません。それを直す、そういった高度な技術だと思われるとわかりやすいと思います。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
*トー角  
車体を上から見たときの前輪の角度をいう タイヤが内股の状態がトーイン、ガニ股はトーアウト。
*サイドスリップ=「横滑り量」 
ハンドルを真っ直ぐにし、1メートル進んだときの横滑りの量をみる。プラスマイナス5ミリ以下に収まっていることが、車検の条件。サイドスリップテスターで測定する。アライメント調整とサイドスリップ調整はある意味まったく別物。単純に前輪のサイドスリップを調整することが理由で偏摩耗を引き起こす時もある。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

現在、大型輸送車両の世界で最先端を行く、ドイツのベンツ、スウェーデンのボルボ社が先頭に立ち、大型車のアライメントの研究がなされています。驚くことに公道を走る約3分の2の大型車両が空気圧異常、アライメントが狂ったまま走行をしており、その調整を行うことで、15%の燃費が改善されることがわかってきました。4輪のアライメントだけを調整するだけで2.5%の燃料費が節約になることもわかってきました。大型車両の世界では、アライメントの狂いが走行性能や燃料費にとても大きな影響を与えるだけでなく、ドライバーの疲労軽減や車体の寿命、ハブボルト折れなど、車体やドライバー、周辺車両の安全性にも大きく影響することから、さまざまな研究が欧米を中心に進められています。現在、日本にこのノウハウが導入され、後軸の調整が今まで不可能であったトラック、バス、大型特殊車両のアライメント調整をおこなえる整備技術が導入されてきました。

https://www.youtube.com/

乗用車などは、新車製造時に4輪のアライメントが調整されていますが、驚かれるでしょうがトラックや商用車は、新車時から最初からずれているといわれています。今後はこういった高度な調整技術が日本に定着することで、商用車をベースにしたキャンピングカーの安全性も大きく高まると思います。

前輪だけでもしっかり見てもらうこと

それも注意が

大型車両の4輪アライメントは、年間10万キロを軽く走行する大型車両のために開発導入されている高度な整備技術です。費用もそれなりにかかります。まだ一般のキャンピングカーが気軽にお願いできるものではありません。しかし、前輪だけのトー角の調整、サイドスリップテストは車検時におこないますが、車検以外でも年に一度は、前輪だけでもみてもらうようにされるとよいと思います。しかし、前述のように単純にトー角だけの調整は、キャンバーなどの他の要素が異常をきたしていると、それらをそのままでトーを調整することで、またそれが理由の偏摩耗を起こす場合もあります。

   

ですから、リヤに関してはトー角やキャンバー角も調整できない車種などでも、ハイエースぐらいまでの車種はタイヤ専門店で、リヤの調整は難しいものの、リヤの狂いを見ながら前輪の調整を細かく行ってくれる(簡易な4輪アライメント、スラストラインアライメント)ところもあります。3トン前後までリフトアップが可能なタイヤ専門店では、カムロードなどでも、後輪のずれをみて、前輪のアライメント(スラストラインアライメント)を診てくれるお店も一部にあります。ただし、注意をしていただきたいのは、アライメントと言っても、様々な技術や知識のお店があります。スラストラインアライメントも中途半端に行うと、またそれによる偏摩耗も起きてしまうこともあります。とにかくすべてのバランスを考慮し調整してくれるお店でご相談をしてください。そういったお店でタイヤ交換を含めてご縁ができると、少しでも安心なキャンピングライフになると思います。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
*スラスト角 https://www.youtube.com/
*ドックトラッキング https://www.youtube.com

後輪の調整ができないため、リアの狂いを診てフロントで調整をおこなう、スラストラインアライメントは、4輪の完全な4ホイールデラックスアライメントとはちがい、直進性は高まるが、後ろから見ると、犬の走り方に見えることから、ドッグトラッキングともいう現象がおきやすい。しかし、ハンドルセンターが確保でき、直進安定性能は高まり、偏摩耗や車体への負荷は軽減され、ドライバーの負担も減ることになるが、トータルに診断や調整をしてもらうことがベストです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

タイヤ本体の話の前に、アライメントいう、タイヤをきれいに回転させる、まっすぐ走らせる、車両基本の話をさせていただきました。さて、次回はタイヤ本体のお話をさせていただきます。

こういった高度な調整技術があっても、なかなかしにくい作業だからこそ、減っていなくても3年で交換してほしいということなのです。

キャンピングカー買取 キャンパーハウス